越冬直前のダニ寄生率検査

越冬準備終盤のタイミングで最後のダニ率検査を行いました。当園の検査方法はハチを透明ケースに閉じ込めて下からハチの腹のダニを撮影し検出する「腹側撮影法」ですが、最近は撮影法だと誤差が大きい気がして、2,300匹のハチをケースに入れ、下から凝視してダニがいる個体を目視するようにしています。

現在の群数は6群、群れの内訳は、か式が2群(K1とK2)、標準サイズの自然巣枠が4群(A1、A2、B1、B3 )で、K1、K2、A1、A2はどれも同じAという群れから今年割り出したもの、B1、B2はBから3つに割り出したのち、合同により2つに戻した群れです。

B1、B2に関しては、8月下旬に変性王台から出た新しい女王が産卵を開始するまでの無王期間中に、ほかの巣箱から蜂児枠を借りてきてダニトラップをしています。

K1、K2は、6月下旬に割り出した段階ではほぼダニゼロ群に見えたものの、9月21日の段階で成蜂寄生率がそれぞれ3%と2%になり、K2の方はK1より寄生率が低いにもかかわらず、10月初旬にはダニ起因のウイルス病の症状が顕著に出ていました。

そこで、K1群には、10月4日から、15%乳酸溶液をスプレーで噴霧×5回(4日間隔)でダニ防除を行いました。K2群には、同スプレー処理を7回行い、巣枠を上げてみた感じではダニを背負った蜂はいなくなりました。

乳酸スプレー処理の間隔を4日に設定したのは、ダニの平均便乗期間が5日とされているからで、5回で1クールにしたのは、蛹の有蓋期間が12日で、12日経てばすべて新生蜂が乳酸処理にバッティングすることになるためです。実際には、K1群は5回ではダニを落としきれず、7回処理することとなりました。

K1群は有蓋蜂児の乱れもなく、ぱっと見は健康にみえるが、寄生率は3%と高かった。
ベランダで飼っているK2群は、寄生率2%の段階でウイルス病による徘徊個体、ちぢれ羽個体がかなり発生し、ベランダが死体だらけになった。
乳酸処理により濡れたハチ。お風呂に入れられた子猫みたいでかわいい(笑)
乳酸15%溶液は即効性があり、スプレー直後からダニがわさわさとざわめき始める。
乳酸処理翌日には、底板にたくさんのダニの死骸が落ちているのを確認した。
これだけ落ちているということは、蛹含む群れ全体にはかなりの数がいたのだろう。

今回検査した結果からいいますと、K1、K2、A1、A2、B1、B2の順で、0.3%、0.5%、0%、0%、0.4%、1%となりました。サンプル母数は200~300匹でした。この結果なら、越冬はひとまず問題なさそうです。少なくとも、ダニが原因で冬越しが失敗することはないでしょう。

この結果の中で特に注目すべきは、防除直前で推定寄生率3%以上になっていたか式両群が、乳酸処方により両方とも0%台にまで寄生率が下がったことと、A1、A2が年間通して無処理にもかかわらずダニ検出が0だったことです。

乳酸処方は、有機酸系ダニ防除の中ではなぜかあまり人気がありませんが、効果はしっかりとあり、1クールあたりコストはアピバールと変わらないくらいで、ハチへの影響はぱっと見そんなに感じられず、これなら来年以降うちのダニ防除の核となってくれそうな感触でした。

また、軽いオス切以外の防除を一切行っていないA1、A2群が、ダニがほぼゼロのまま越冬に入れそうなことは、自然巣枠養蜂の可能性を感じた部分でもあります。もっとも、寄生がひどい群れもいることから、自然巣だから必ずダニが減るとは全く言えませんが、養蜂場全体の寄生率低下に自然巣の利用が寄与するかもしれないという実例が見えたことは大きな収穫です。

B系統の群れは、晩夏の無蜂児期ダニトラップがだいぶ効いたようで、これも来年以降の防除スケジュールを設計するうえでとても有力な手法だと確信しています。

ダニがいる群といない群、ここまではっきり違いが出るとは正直思っていなかったので正直驚きました。この違いを生み出した要因は何なのか?女王の遺伝的な要因?巣箱を置いた場所?これがわかれば、防除フリーで養蜂ができる可能性があります。この件については今後、じっくりと観察してみたいと思います。

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